日常をうたう
かの昔 冬の最中の 自在鉤 大鍋吊りし 湯気立つ いろり
かの昔(むかし)冬の最中(さなか)の自在鉤(じざいかぎ)大鍋(おおなべ)吊(つ)りし湯気(ゆげ)立ついろり
自在鉤で吊られた大鍋から立ち上がる湯気
風情がありますね。
今では、なかなか見ることができません。
磨さんが若かりし頃の東北の寒い冬
どんぶくを羽織りながら、
広い居間にある囲炉裏では、
自在鉤で吊られた大鍋から
あら汁やつみれ汁、どんこ汁などが香り立ち
食卓をあたたかくしてくれていたようです。
磨さんはそんな光景を懐かしく思い、詠った短歌です。